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私、勇者として召喚されました  作者: 乙女の涙
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第百八十八話 私、迷宮を弄りました。

迷宮の最奥地である部屋にナナちゃんと二人っきりの私です。

今はリドさんが消えて無言の場面です。

正直、気まずかった空気が流れ始めたから私がナナちゃんに話し掛け始めようと思います。


とりあえずドッペルゲンガーの素顔を見たいな。


「えっと、ナナちゃん。

私、『ドッペルゲンガー』を初めて見たんだ。

だからナナちゃんの本当の姿、『ドッペルゲンガー』を見たいなー。」


「すいません。

私の種族は自動的に近くに居る誰かの姿を取ります。

自分の意思で戻る事はできません。」


あ、そうなんだ。

じゃあ、私のスキル【真実の瞳】で分かるかな。


「それじゃ、私のスキルでナナちゃんを見ても良い?」


「はい。」


よし、ナナちゃん本人から了承を得たからいいよね!

【真実の瞳】の魔力を塞いでる所をとってっと。


・・・ほうほう。

これが『ドッペルゲンガー』なんだね。

卵が目の前に有った。

いや、卵のような肌とかじゃなくて。

人の大きさ程ある巨大な白い卵だ。

そして卵の中央に白くて可愛らしい唇があった。

それと私の姿がダブって見える。

なんだろうね。

言葉に表すなら透けている守護霊の卵が付いた少女だね。


姿を見てると不思議なアリスのハンプティダンプティみたいだね。


「ナナちゃん、とても可愛いよ。」


「ありがとう、嬉しいです。」


さて、ジャブはここまでにして本題のストレートを入れよう。


「ナナちゃん、私、外に出たいんだ。」


「では私と、この迷宮について説明を行った後に外への出方を伝えます。

いいですか?」


「いいけど。

ナナちゃんはこの迷宮を知ってるの?」


「はい。

試行者リド様から情報をいただきましたから。」


そしてナナちゃんから色々と教えてもらった。


まず、ナナちゃんはリドさんが私に渡した従者だって。

因みに『ドッペルゲンガー』の説明もしてくれた。

姿だけじゃなくて一部のスキルやステータス、記憶までコピーするそうだ。

一部って言ったのは加護やユニークスキルなんかはコピーできないみたい。

後は初めてコピーした相手のスキルは自分の物になるんだって。

そしてスキルレベルもそのコピーした相手のスキルレベルになるんだって。


ナナちゃんは私のスキルを全部覚えちゃったみたい。

【災厄】とか刻印シリーズとか持っていて悪影響のあるスキルは封印をしてあげた。


あと、姿をコピーした対象が死んだらその姿が次の正体になるらしい。

私が死んだらナナちゃんの姿が卵から私になる訳だね。


私の従者になるんならと、すぐにナナちゃんを配下に加えたよ。

ふふ、これでナナちゃんは安全だね。

ある物を守ってくれるらしいしね。


次にこの迷宮についてだ。

この迷宮はコアって言う綺麗な宝石が重要みたい。

ナナちゃんが守ってくれる物だね。


コアに魔力を流すと迷宮を好きに弄れるんだよ。


今は平面迷路みたいな所だけど新しく階層を設けてもいいし罠を張ってもいいみたい。

迷宮内を変える為にはそれ相応の魔力は必要になるんだけどね。


そして此処からが大事なんだけどね。

この中で死んだらレベルを1下げる代わりに無傷で迷宮の外に転送されるらしい。


そしてその下がったレベルのエネルギーがコアに送られるんだって。

そのエネルギーを私の経験値にしてもいいしそのエネルギーを使って迷宮をグレードアップしてもいい。


と言うよりも迷宮のグレードアップに使うように準備されてるって。


面白そうだから私の魔力を使って迷宮を弄って配下のゴブリンや狼、不浄蟲を放った。

うんうん、これも良い訓練になるだろうね。

対人戦の訓練、狭い戦場の経験。

もしかしたら新しいスキルを得るかもしれないね。


餌として私の作った剣とか槍とか防具とかを宝箱に入れて置こう。

後は宝石、不思議な道具なんかもね。


外との出入り口を作って配下にこの迷宮から出ないように伝えた。


そうそう、私だけは迷宮と外を自由に行き来できるようになったらしい。


こう頭の中で迷宮内で外を思い浮かべば外に行って外で迷宮内を思い浮かべれば迷宮に行ける。

また迷宮内を一瞬で移動できるようになったらしい。


他にも色々と弄ってナナちゃんにとっておきのプレゼントを渡して私は迷宮の外に出た。

ナナちゃんはこの迷宮から出る事が出来ないらしい。

だからナナちゃんの住居空間も作ってあげたよ。


結構、広く作っちゃったからなんかナナちゃんが寂しそうになっちゃったけどね。

だから元奴隷やスラム街の配下の学び舎をこっちの迷宮に移す事に決めた。

その事を伝えたらナナちゃんが歓迎してくれたよ。


それで姿がコロコロと変わるのは不便だと思うから【コピー】で私の姿に似せるようにしたんだ。

これもスキルレベルが10になってるから効果は絶大だよ。


私が目の前にゴブリンを呼んでナナちゃんに近づけたけど姿は変わらなかったしね。

これで私の配下に近づいても姿が急に変わる事はないでしょ。


あとはクリア団に迷宮の事を噂として流して貰おうかな。

魔物が宝を守って迷宮に篭ってるってね。


あ、この世界に迷宮って初めてのだから伝わらないかな。

まぁ、おいおい考えよう。


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