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私、勇者として召喚されました  作者: 乙女の涙
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第十八話 私、知らぬ間に誘拐してました。

「お゛どぉ゛ぉ゛ぉ゛ざぁ゛ぁ゛ぁ゛ん!」


え、ちょ!?

何これ!?

今、私の目の前にはガン泣きの子供が居た。

いやいや!

私、朝に配下にした蝙蝠を召喚したんだよ?

なんで子供が出てくるの!?


「お゛どぉ゛ぉ゛ぉ゛ざぁ゛ぁ゛ぁ゛ん!」


「な、泣かないで。

ね、ね!」


と、とりあえずこの子に泣き止んでくれないとこのままじゃ誰か来ちゃうよ!


「ほら!

お姉ちゃん、怖くないよ〜。

いない、いない、ばぁ〜!」


私、何やってるの!?

どう見てもこの子、歳二桁だよ!?

対応が幼稚園児並みじゃ駄目だよ!!


あ〜、どうしよ、どうしよ!

あ、そうだ!


「《時空間》!!」


この部屋の空間とは別の空間を作って私とこの子を取り込んだ。


こ、これで邪魔は入らないよね!

うん、じっくりと現状を調べられる!


「お゛どぉ゛ぉ゛ぉ゛ざぁ゛ぁ゛ぁ゛ん!」


まずは調べる前に泣き止んでもらわないと。

どうすればいいんだろう?

地球では一人っ子、魔王時代は論外。

手立てなんかないじゃん!


こういう時は自分に当てはめよう。

10歳頃の私がガン泣きしてた時にどうすれば泣き止んでたかな?

抱っこ?


即実践!


私が一歩子供に近づくと子供がビクッと肩を動かした。


うん、抱っこする前に泣き止んだけどなんか怯えられてる?

第一あの子、誰?

なんであの子が現れた?

その前の私の行動は?

朝に配下にした蝙蝠を召喚した。

そしたら蝙蝠じゃなくてあの子が現れた。

もしかして・・・。


ーーーーーーーーーー


アタラファ・コペル・ウォンバット


種族:闇の精霊(幼体)


レベル:ーー


クラス:ーー


ーーーーーーーーーー


あーうん、配下にして召喚したらその者の本当の姿で出てくるからね!


人じゃないと思ってたけど精霊の幼体か〜。

全部が黒いんだよね、この子。

髪、眼の色、肌の色、濃ゆさは違うけど全部黒一色なんだよね。

瞳も白目の部分が無いし、涙だって黒かったし顔から落ちた涙が床に当たる前に空気に溶けるように消えたしね。


あの蝙蝠がこの子だったんだね!

ふんふん、ならこの態度もある程度は納得かな。


まぁ、小さな子供をスキルで捕まえて(閉じ込めて)そのまま配下(誘拐)した事になるんだよね?


・・・私、有罪じゃん。

恐怖、女子高生が幼児誘拐する!

いや、でも、私この子みたいに小さい子に興味ないし!

結果、誘拐になっちゃってるけど何もするつもりはなかったし!

ショタコンじゃないし!


・・・この子、スキル持ってないじゃん。

いや、幼体だから仕方ないんだろうけどさ!


はぁー、いつまでも怯えられるなんて嫌だから自己紹介して帰そう。


「えっとね、お姉ちゃんは早乙女(さおとめ) (しずく)、勇者だよ。

君に何かするつもりはないから安心して。

君の名前は?」


ビクッ!!

ズサササッ!!


いや、そんなに怖がって後退(あとずさ)らないでよ。

私、そこまで怖くないし、ショックだよ。


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