第百七十七話 私、ユニークスキルを探しました。
何も映していない虚ろな瞳。
少し開いた口から垂れるヨダレ。
ピクリとも動かない身体。
声とも言えぬような幽かな声。
えっと、うん。
純の心を壊しちゃったみたい。
目のハイライトが無くなっていわゆるレイプ目になってるし。
ヨダレがダラダラと溢れてるし。
まさしく廃人って言葉がしっくりきちゃうね。
お風呂でのスキンシップをやり過ぎちゃったかな。
う〜ん、何がダメだったのかな。
【浄化】が付与された石鹸とかで全身を洗った事?
私の魔力を急激に流し込んだ事?
魔力で作った触手を口から入れて体内を綺麗にした事?
・・・心当たりがあるけど、いっか。
とりあえずはユニークスキルを調べてからにしよう。
「純ちゃん、命令を出すよ。
【真実の瞳】と【鑑定】を使って私のスキル欄から???表記のスキルを探して。
見つけたら【真実の瞬間】でスキル名が分かる筈だからそれを言って。」
「あい。」
《魔王の契約》の効果で私の命令を本人の意思とは関係なく無理矢理で強制的に動かす。
この効果は私の任意で発動できるからこういう時ぐらいしかつかわないんだけどね。
あー、純は呂律も回ってないや。
後であの子を入れておこう。
心のエキスパートのあの子なら壊れた心も治せるからね。
ふふ、私は事後管理は念入りにするんだよ。
とりあえず【リカバリー】を掛けておこう。
呂律は回復するでしょ。
呂律が回らないと聞きにくいからね。
「見つけました。」
1分もしない内に純が見つけた。
うん、仕事が早いのは嬉しいよ。
「【功罪の秤】【奮い立つ獅子】
【女王蟻の義務】【特攻の号令】
【死守の号令】【行軍の号令】【産卵】
【カースデス】【カースドール】
【改造】【取り憑く】【模倣品】
【理想の姿】【死の声】【逃走拒否】
【感染の血飛沫】【飢餓の衝動】
【寄生蟲】【腐りし手】【土地汚染】
【廃石の邪眼】【不浄なる心身】
【蟲の女王】【白亜の霧】【魔力感知】
【魔力操作】【魔力貯蓄】【多勢単騎】
【悪撲】【悪魔の囁き】【天の邪鬼】
【最後の一撃】【寄生のカビ】【潔癖】
【光合成】【湿り気】【無垢なる魂】【宿り胞子】【治癒の蜜】【荒ぶる血】
【栄光の光】【英雄の身体】【退化】
【九死一生】【眷属創造】【真実の瞳】
【聖女の涙】【騒音】【寝言】【無音】
【封印の鍵】【厄払い】【勇気】
【封魔の遠吠え】【地獄の悪鬼】
【現の虚言】【正直】【技封じ】
【属性付与加工】【魔石投与】
【武器暴走】【霧笛】【無敵】【不動】
【犠牲の要】【プレゼントフォーユー】
【快速の集】【賢気の集】【烏合の衆】
【臆病風】【醜き姿】【遅延発動】
【連射発動】【リチャージ】
【リフレイン】【ラペーレス】
【命令移行】【ノーワーク】」
あ、結構な数があるんだね。
種類は・・・魔王が覚えてたスキル、地下室の時の孤児が覚えてたスキル、石化した貴族のスキル、リコールさんのスキル、その他って分け方が出来るかな。
石化した貴族のスキルとリコールさんのスキルは分かる。
今回調べたのは勇者のユニークスキルだからね。
勇者や勇者の末裔が持っている物だって分かってたからね。
孤児は・・・うん、没落した貴族とか貴族の隠し子みたいな人達かその子孫だろうね。
後は・・・魔王のスキル。
まぁ、勇者の対極の存在なんだから持っていてもおかしく無い。
その他は・・・どう考えればいいのかな?
人族以外の他種族の勇者のスキルって事かな?
多分、合ってると思う。
とりあえずこれらは【鑑定妨害】で隠しておこうっと。
見つかったらヤバそうだしね。
それじゃ、純はあの子に任せて私は帰ろうかな。