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私、勇者として召喚されました  作者: 乙女の涙
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第百七十五話 私、蟻の巣に入ってました。

アイルさんに『煮炊の小箱』『食物蔵』を渡した後、巨大な蟻の巣に様々な料理器具を取り揃えたキッチン、『幽玄の調理場』を作った。

様々な器具は《時空間》で収納を作ったり、窯を作ったり、熟成、発酵、冷凍などなんでも有りのキッチンを新しく掘って貰った部屋に作った。


そうなんだよ。

衛生カメラのように《時空間》でこの壁をぐるりと回って全体を見てみたんだけど壁じゃ無くて塔だった。

しかも中身は迷路のような道と無数にある部屋があった。

それはまるで地表にできた巨大な蟻の巣だった。


巨大な防壁じゃなくて巨大な住居でしたよ。

しかも中では毎日、卵が孵化してるから蟲人が増えているからこの蟻の巣も大きくしてるって。


私が渡した人形の大半はその土木工事要員として働いてるってさ。

因みに人形達は屋上で土を出し続けていてその付近の蟲人が巣を固めたり部屋を掘ったりしてるらしい。


この世界の上空の上限を外して無制限にしようかな。

代わりに横の無制限をあれよりも今よりも少し広げて制限を作れば設定内容はあまり変わらないだろうし。


転移地点をいくつか作ってあげれば移動も楽そうだね。


それよりもまずはユニークスキルを探し出さないとね。

その為に純を利用しようかな。


「純ちゃーん、こっちおいでー。」


「はむ、はむ・・・ごく。

はい、母上。

なんでしょうか?」


くさやを大事そうに味わって食べてた純を呼んでっと。

ふふ、食べる姿も可愛いね。

でも本当に性格が丸くなったね。

この前だったら私の前で食べる時は後ろを向いて食べてる姿を見せないようにしてたのにね。

まるで野生の獣みたいにさ。


これは私の愛が伝わったのかな?

それにしても食べ物が一品だけだといつか味に飽きちゃうよね?

何か料理でも作ってあげようかな。

母の味を覚えて欲しいし。

やる事をやったら考えようかな。


「ねぇ、純ちゃん。

ちょっと手伝いをして欲しいんだけど良いかな。」


「はい、妾にできる事ならばいくらでもやりましょう!」


凄い気合が入ってるね。

今回は根気の要る仕事だからね。

気合があるのは好都合かな。


「まずは手伝いに使う二つのスキルを渡すよ。」


「スキルを渡す?

それはどう言う事ですか?」


そっか、純のスキルは封じた事があるけど渡した事は無かったね。

純の額に手を当てて。

あ、これはスキルを渡すのに必要な動作じゃないよ。

単に触りたかっただけだからね。

スベスベで良い撫で心地だね。


「まぁ、そこら辺は気にしないで。

【真実の瞳】【鑑定】の二つを渡してっと。

じゃあ、純ちゃん。

私を【鑑定】で見て。」


「???

あの、母上、妾は【鑑定】を持っていません。」


う〜ん、戸惑ってるね。

なんか声には戸惑いの中に呆れも入ってるような気がする。


「いいから使ってみて。

ほら、【鑑定】って言ってみて。」


「いえ、母上、妾は【鑑定】を持っていません。

・・・は、それにスキル名を言っただけでは発動はせんわ。

この戯け者が。」


あれ、なんかボソっと聞こえた。

・・・仕方ない、再教育が必要かな。


「純ちゃん、私と綺麗になろっか。」


ビク!?

ブルブルブル!!!


「い、い、いい、いいいえ!!!

綺麗にならなくて良いです!!!」


うん、凄い反応だね。

首が取れちゃいそうなほど横に振ってさ。

顔も血の気が失せて真っ白になって。

あ、元からか。


「大丈夫、大丈夫。

一緒にお風呂に入るだけだからそんなに怖がらなくて良いんだよ?

親子なら一緒にお風呂に入っても大丈夫だからさ。

身体の隅々まで綺麗にしてあげるからさ。」


「い、嫌じゃ!!!

もうあれは、あれはやりたくないんじゃ!!!」


口調が戻ってきたね。

余裕が無くなってきてるのかな。

多分【浄化】を掛けまくった時の事を思い出してるね。


「大丈夫、大丈夫。

ひたすら【浄化】を掛けるだけじゃないから。

そう、お風呂だから。

色々な所を綺麗にしてあげるから。」


「掛ける以外にも何かする気か!?

そんなの、そんなの嫌に決まってるんじゃーーー!!!」


あ、逃げた。

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