第百六十九話 私、石化した貴族の記憶を読みました。
ふむふむ、なるほど。
石化した貴族の人達の記憶を読んで分かった事がある。
一つは勇者のユニークスキルについてだね。
まずユニークスキルは複数ある事。
一人の勇者が幾つものユニークスキルを習得したかららしい。
そして確かに血筋で継承されていってるね。
でも皆に継承されるわけじゃないみたいだ。
今回は子供達が多いのも関係している。
一人にしか受け継がれないみたいなんだよ。
だから同じ勇者の末裔の中で同じユニークスキルを覚える人は居ないみたい。
持ってる人が死んだら次の人に直ぐに覚える可能性が受け継がれるみたい。
受け継がれる時に絶対に一つは覚えられるからそれで判断してるみたい。
まぁ、特徴は【鑑定】で???表示されるっていう分かりやすいからね。
後はその血筋の中で一番若い人に受け継がれるみたい。
これが幼い子が多かった理由だね。
一人だけ高齢の方が居たけどね。
さて今回の貴族の人達の目的は様々だったよ。
赤毛の貴族の人は勇者のユニークスキルについてを話そうとしていた。
初代勇者の末裔だからこそ最初にユニークスキルの事に気付いた人達だからね。
そして私には娘が居る事もあっちは知ってる。
私がユニークスキルを覚えてその後、私が死んだ後のユニークスキルについて話そうとしていたみたい。
異界から来た私にそれが適用されるかどうか疑問に思うけどね。
私のユニークスキルって言ったら《魔王の契約》《時空間》《物理の極み》《魔法の極み》《再誕》の五つかな。
まぁ、今は他の勇者のユニークスキルも覚えてるからどうなるか分からないけどね。
それよりも前提の私が死にきるかどうかさえ分からないけどね。
あれ?
私って死んでたじゃん。
ほら、《狂人の縁》を覚えたあの火達磨事件。
それで静や忍で覚えてるのは《物理の極み》《魔法の極》《再誕》の三つだけで変わってないし。
私は当てはまらないのかもね。
それに私は寿命があってないようなもんだし。
だって、私、魔王の時に軽く千年はイキテルカラネ。
生きて、そして死んで。《再誕》が発動するんだ。
生きてるとは言い難いかな?
まぁ、殆ど年内にコロコロ死んでたから寿命があるかは分からないけどね。
戦死、勇者の襲来、毒殺、勇者の襲来、神罰、勇者の襲来、転倒、勇者の襲来、溺死、勇者の襲来、爆死、勇者の襲来などなど。
死ぬことに事欠けなかった。
そして《再誕》には死んでも生き返る以外にも他の効果がある。
最長5年。
これがあの元魔王時代で長生きした年月だ。
そして5年もあれば身長が少しは伸びるよね。
胸も普通の人よりは小さかったけど膨らんでたんだよ?
それが死んで《再誕》が発動したら、あら不思議、元のぺったんこになった。
その時は軽く絶望したね。
何日か魔王城の私の寝室で引きこもってたよ。
まぁ、永遠の若さを手に入れたって事で納得はしたけどね。
人は若返りの薬を欲しがる生き物だからね。
へへ、人の欲望を一つ叶えちゃったよ。
こっちの世界では良い大人まで成長したいな。
傀儡みたいなスタイルに成長したい。
取り敢えず勇者のユニークスキル問題は私には関係・・・あ!
もしかして私がスキルを与えてるから分からないのかな?
うん、流石は私、例外中の例外だね!
後は赤毛の人の話を聞いて付いて来た人達だね。
あ、一人だけ違うや。
王家の仮面の人、この人は私の不思議な道具の事を知りたいらしい。
国王様から話を聞いて興味を持ったみたい。
ちなみに私と同い年の女の子らしい。
やったね、同じぺったんこだよ!
うん、彼女となら仲良くなれそうだよ。