第百六十五話 私、勇者の歌を聞きました。
午後に来る勇者の末裔のスキルを大体の事をヤハルさんから聞くことが出来た。
どれも似たような物が無かった。
唯一無二のスキルばかりだった。
一つ目は初代勇者が使っていたスキル。
初代勇者の出生は不明で一部ではメカルーネさんが遣わせた眷属の一人って事になってる。
そうそう、勇者のスキルは【鑑定】の効果が効かないみたいで???表記になるんだって。
だから初代勇者がどんなスキルを持っていたのか未だ分からないことが多いみたい。
初代勇者本人は自覚をしていたみたいだけどね。
スキル名は一族しか伝えられてないそうだから分からなかった。
ある時、当時の国王が【鑑定】を受けるように命令したら初代勇者の遺言で他の者に一切伝えてはならぬと伝えられていてその上、伝えれば力を無くすだろうとも言ったらしい。
当時の国王は勇者のスキルが消えてしまう事を恐れてそれから干渉をしないことを誓ったそうだ。
いや、知られて使えなくなるスキルって何?
秘密にしてると効果が上がるのかな。
ヤハルさんの知っている初代勇者を讃える歌によると一振りで山を削ったり駆けるだけで魔物を倒したりしたそうだ。
歌で伝えてるんだね。
本もあるらしいけど内容は一緒らしい。
ヤハルさん、結構歌が上手かった。
う〜ん、どんなスキルなのかな?
強化系とか隠密系とかかな。
強くなったり、秘密にしてる所から考えてみたけどね。
二人目は通称、魔剣の勇者。
色々な魔剣を生み出すスキルを持ってたんだって。
属性が付いた剣や特殊効果のある剣をドンドコ作ってたらしい。
今もその勇者が作った剣は残ってるし末裔である貴族も魔剣を作って資産を作ってるみたい。
三人目は騎士の勇者であらゆる攻撃を無効化するスキルを持ってたんだって。
なんと最大と言われた魔王の一撃も耐え抜いたらしい。
完全防御って訳ですか。
そう言われるとダメージを与えたくなるのが人情だよね。
四人目は味方を強くさせ、敵を弱体化させるスキルを持っていたらしい。
しかもその人は時の王女様だったんだって。
まさかの王家の人も勇者になるなんてね。
・・・国王様が来たりするのかな?
五人目はスキルを連続で打てるスキルらしい。
クールタイムって言うのかな。
一つのスキルを使うと連続して使う事が難しいみたい。
普通の人では無理で訓練をした人でも少しの間は開くんだって。
そして最後の一人は狼の魔王を倒したあの青年らしい。
確かに連続で魔法を打ってたね。