第十五話 私、騎士に勝ちました。
私と木剣を持った騎士の方、アーゴさんと向かいあってます。
今、私はアーゴさんと試合をやります。
半径10メートルの円の中で試合をするそうです。
私とアーゴさんはその円の端の方で向かい合ってます。
アーゴさんは恰幅のいい方でウルーベルさんによると力が強いらしいです。
兜を取ったから顔も見れるけど、騎士より山賊っぽいよ!?
髭ともみあげがくっ付いてるから顔がヒゲモジャだよ!
パワーファイター型ですね!
なので攻撃は遅いけど一撃が重い。
当たったら私じゃ、ノックアウトだ。
鍔迫り合いも出来ないね。
当たったらだけど。
「始め!!」
「ウオォォォォ!!」
レガリアさんが試合の合図を出した。
アーゴさんも合図と共に鬨の声を上げ私の方に駆け寄って来た。
うん、遅い。
まるで魔王時代のオーク並の遅さだ。
あいつら、足が短いから遅かったんだよね。
アーゴさんの木剣が届く少し前の所で剣を振り上げてます。
一撃で決めるつもりなんだろうけど、そんなに遅くて大振りな攻撃じゃ避けるのは簡単だよ。
でも少し試したい事もあるから避けない。
剣を前方に構えて待つ。
アーゴさんが剣を振り下ろすのに合わせて剣を当てて全身を捻りながら流す。
「ぬぉ!?」
うん、成功。
私の頭目掛けて振り下ろされた剣は少しずれた所を通り過ぎた。
《受け流し》
剣のスキルの一つで相手の攻撃を流す。
そして相手の体勢を崩す。
魔王時代に何回も命を救ってくれたスキルの一つだ。
そしてその動作を覚えているスキルの一つ。
やっぱり、スキルが無くても体が覚えれてたら使えるみたい!
ただ、スキル補正は掛からないみたいだね。
今も手がジンジンと痛い。
本来なら衝撃の全てを流すからこんな事にはならないのに。
「とう!」
そして体勢を崩したアーゴさん腕を掴みながら下に潜り込んで背負い投げもどきをかまして円の外に出した。
私の勝利!!