第十三話 私、レガリアさんに逆らわないと誓いました。
「勇者、剣は使えるか?」
「はい、使えます、レガリア師匠。」
剣。
そりゃ、使えますとも!
剣聖とか剣王とか魔剣とか神剣とか配下にしたからね!
え?
魔剣と神剣は嘘だろって?
残念、両方とも意思を持った剣で自由気ままに動けるからね。
一応、魔剣は魔物、神剣は天使って扱いだったかな。
「まず勇者がどれほどの力か知りたい。
スキルは持ってないらしいな。
だからレベルの低い奴とと打ち合ってもらおう。」
「はい?」
スキルがない?
え、なんで剣に関するスキルが無くなってることが分かってるの!?
「持っていてもレベル0じゃ効果は出ないからな。
持ってないのと一緒だろう。」
私の顔を見てレガリアさんが答えてくれた。
な、成る程。
だからレベル0って分かった時にざわついた訳だ。
そんな制約があるんだから騒がない筈がないからね!
うん?
でも《魔王の契約》《時空間》とかは使えたし《物理の極み》《魔法の極み》は効果は出たけど、なんで?
う〜ん、この世界のスキルじゃないから?
「おい!
アーゴ!
イグニス!
ウルーベル!
こっちに来い!」
「「「はい、団長!!!」」」
ダダダダダダダダダダダダ!!
お、おぅ。
なんか鎧を着た三人の人が走って来た。
鎧の色は鮮やかな紅。
こう地響きが凄かったとかどれだけレガリアさんが怖いのとか色々言いたいんだけど。
迫力はあったよ。
三人とも私より大きいし、鎧は重たそうだしね。
なんか息が今でも聞こえてきそうだけど。
この三人が私と戦うみたいだけど戦う前から疲れてないでしょうか、レガリアさん!
「息が上がってるぞ、貴様ら!!
勇者と戦ったら城下街一周だ!!!」
「「「はい、団長!!!」」」
ワァオゥ!
レガリアさんって鬼軍曹ですか!?
いや、レガリアさん、団長!?
レガリアさんの鎧が銀に鮮やかな紅の意匠があるから団長って呼ばれても違和感がないけどさ!!
え、私の師匠ってこんなに厳しい人なの!?
私、大丈夫かな?
「ふん、この距離でこの為体だとは情けない。
女であるあたしでさえその程度では疲れないと言うのに。」
いや、鏡を見ましょう、レガリアさん!
その体とこの三人を比べましょうよ!
明らかに性別でどうにかなるもんじゃないですよ!?
三人ともレガリアさんの胸ぐらいしか身長がありませんよ!!
「アーゴ、イグニス、ウルーベル!
お前達は革の鎧に着替えて来い!
得物は木製の奴を持ってだぞ!
ウルーベル!
お前は勇者に合う革の鎧と木剣を準備しろ!
勇者、あの左端の槍を持った奴がウルーベルだ。
あいつについて行け!」
「はい、レガリア師匠!」
口答えなんか出来ません!!