第百十六話 私、地下水路でローレイさんを驚かせました。
ふんふん、それで私の配下になったチンピラ男を問い質したくてローレイさんは追ってたんだね。
路地裏に入った人を追い掛けるなんてローレイさん、よっぽど気になってたのかな。
男は直ぐに曲がった所の小屋に入ったのにローレイさんはそのまま通り過ぎちゃってたけどね。
路地裏を彷徨ってたらあの子から大規模の盗賊の知らせを受けて八つ当たり気味にその盗賊のアジトに突撃して行った訳か。
「ぐ、ぅぁ。」
【ナイトアーマー】で手足がモーニングスターみたいになってる特製の鎧を魔力で作ってそのまま盗賊にタックルをかまして行く。
ローレイさん、豪快な戦い方をするんだね。
しかも【ヘビーウェイト】で自重を重くして【火の衣】で加熱された金属の塊でぶちかまして行く。
うん、その盗賊のアジトは地下水路だったんだけど。
臭いがキツイし、水が汚いし、暗いし。
よくローレイさんはこの地下水路に入れたよね。
あ、怒りの余り気にしなかったのかな?
「ぅ、ぅぁ。」
ある程度進んだら地下水路の壁にドアが付けられててその入り口からここまで盗賊がうじゃうじゃ居たけど尽く押し潰してるからね。
盗賊達は浮かび上がる燃える鎧に逃げ惑うばかり。
ローレイさん、盗賊から魔物扱いですよ。
しかも出口がさっきの地下水路のドア以外に無いみたいで奥に必死に逃げていくか、決死の覚悟でローレイさんを通り抜けようとする人で別れた。
覚悟を決めた人達は火傷と複雑骨折、内臓破裂で床に転がってるけどね。
「ぉぅ、ぅ。」
それでさっき盗賊の親玉の男の象徴を押し潰し気絶させたばかりなんだよね。
それでまぁ、普通に出てくるなんて面白くないからちょっとした演出をしたんだよね。
仮面をリアルなゾンビフェイスにして。
【闇の衣】で顔以外を隠して。
魔力で天井に張り付いて。
準備完了!
後は魔力を調整してローレイさんの真上に来るようにしてからの、
『ローレイさーん!』
ってローレイさんの名前を叫びながら目の前に逆さまゾンビフェイスで迫る演出をしたらこの通り、ローレイさんが気絶しちゃった。
「ぅぅ、顔が、顔がぁ〜。」
そしてローレイさんはうなされてます。
う〜ん、ローレイさんは怖いものが苦手だったのかな?
とりあえず魔力で作った布団の上に寝かせてる。
鎧は剥ぎ取ったよ。
暑そうだったからね。
脂汗をかいてたから【浄化】で綺麗にしてあげたよ。
下も濡れてたからついでに、ね。
今の内にローレイさんが倒した盗賊達を配下に加えて行こう!
傷は【ヒール】で火傷は【リカバリー】で垢とか泥とかは【浄化】で。
今度はどんなスキルが手に入るっかなー?