第百十三話 私、静と忍でタイムアタックをさせました。
静が私に対して大鎚で【クラッシュ】で振り下ろしてきた。
私は大鎚の間合いから逃げる為に静の手前に接近した。
【クラッシュ】の効果で背後からの衝撃を利用して加速しながら低姿勢で静に足払いをしつつ通り抜ける。
『む。』
その上から忍が姿を現して毒々しい短剣を片手に私に飛び掛ってきた。
私は短剣を突き出してきた忍の手首を掴んで捻って静の横に叩き付ける。
「ぐふ!?」
「はい、時間切れ!
【ヒール】【リフレッシュ】【浄化】っと。
静、忍、最初よりも動きが良くなってるよ。
あとはもっと二人で私を追い込めるようにね!」
私は今、二人の特訓をしてる。
能力差をスキルで埋めて対等にしてその上で私を倒せるかのタイムアタックをやってもらってる。
静はもう手加減がだいぶ出来るようになって私の特製武器でゴブリンを倒さないようにぶっ飛ばす事が出来るようになった。
忍はスキルを駆使して大勢の敵の中で立ち回りも上手く出来るようになった。
でも二人とも一人で練習したり競い合ったりしてたから共同して頑張る事をやった事が無かった。
だから今回は連携して私を倒す事をやってみた。
時間制限が有る戦いの中で二人は私を倒す為に頑張ったよ。
最初は静が大鎚で周囲に隠れてた忍をぶっ飛ばしたり、忍が牽制として放った短剣を静が叩き落としたりと色々な事が有ったけどね。
二人で協力して行う事は大事だとおもうからね。
でもそれ以外にも私はやったよ。
二人に常に【鑑定】を掛け続けて二人の【鑑定感知】と【鑑定妨害】のスキルレベルを上げたり。
二人にアロー系とボール系の回避特訓をしたり。
属性を纏う衣シリーズのスキルを使って衣シリーズと属性耐性のスキルレベルを上げたり。
状態異常耐性スキルのレベルを上げたりした。
二人とも私よりもスキルレベルが上がるのが遅い。
何か違いがあると思う。
スキルの使用回数、継続性なんかが関係してるんじゃないかな。
私はずっとスキルを使ってるからね。
「う〜、悔しいよ。
ねぇ、忍、もう一回しよ。」
『う、ん。』
「ダーメ。
二人ともこれ以上は集中力が続かないでしょ。
ほら、今度は自由に遊んで来ていいからいってらっしゃい。」
「え!
いいの?
やった!!」
忍は私の言葉を聞くや否や忍者ごっこを始めた。
空を飛ぶ為に街中でやってた忍者ごっこが楽しくなってもっと他のスキルを駆使して動き回りたいみたい。
『お、お、か、み。
い、く!』
「うん、静もいってらっしゃい。」
静はこの前の種子狼に乗った事が気に入ってこの上空空間に来ると狼の魔物の方に行くようになった。
そうそう、二人にも《称号》が付いてた。
静は3つ。
『不図の勇者』
偶然に勇者として生を受けた者に与えられる称号。
確立が関わるスキルで新たな効果が出る事もある。
『歪な忌み子』
通常とは違う特殊な産まれた者に与えられる称号。
成長が早くなる。
『妖魔殺し』
ゴブリンを千匹以上も倒した者に与えられる称号。
ゴブリンに対するダメージ補正がある。
【眷属創造】が関係してそうな《称号》だね。
忍は一つ。
『闇夜の暗殺者』
力量差のある者の暗殺が成功した者与えられる称号。
暗殺スキルを習得しやすくなる。
うん、私を殺した時の《称号》だね。
これを他の人に見せる訳にはいかないからね。
【鑑定感知】【鑑定妨害】は二人にとっても必須スキルだとおもうんだよね。
あとはゴブリン達からも新しいスキルを習得した。
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【風の衣】レベル1・アクティブ
風を纏い自分の近接攻撃に風属性を持たせ素早さを上げる。
レベルが上がると素早さを上げる効果が上がる。
【風属性耐性】レベル1・パッシブ
風属性の耐性を得る。
レベルの上昇によって風属性の耐性率が上昇する。
【光の衣】レベル1・アクティブ
光を纏い自分の近接攻撃に光属性を持たせ最大体力値を上げる。
レベルが上がると最大体力値を上げる効果が上がる。
【光属性耐性】レベル1・パッシブ
光属性の耐性を得る。
レベルの上昇によって光属性の耐性率が上昇する。
【血の代償】レベル1・アクティブ
自身の血を飲んだ者の怪我を治し体力を回復させる。
レベル上昇によって必要な血の量が減る。
【鉈術】レベル1・パッシブ
鉈での攻撃でダメージ補正が掛かる。
レベル上昇によってダメージ補正の効果が上がる。
【足払い】レベル1・アクティブ
相手の足に攻撃をして足に関わるスキルを極低確率で一時的に使用不可にする。
レベル上昇によって威力が増す。
【銃術】レベル1・パッシブ
銃での攻撃でダメージ補正が掛かる。
レベル上昇によってダメージ補正の効果が上がる。
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属性耐性が全部そろったね。