第百十一話 私、ヤハルさんから『成人の儀』のメリットを教えられました。
静と忍がご飯を食べ終わったからヤハルさんに【リカバリー】を掛けて気絶から立ち直らせた。
胸は・・・少しだけ小さくなった気がするかな!
隙あらばいつでもやっちゃおう!
「ヤハルさん、大丈夫ですか?」
「はい、先程よりもとても気分が良いです。
シズク様、醜行を見せてしまい申し訳ございまさん。」
「そうですか。」
私の強制ダイエットで脂肪を燃やして新陳代謝が活発的になったのかな?
汗が凄く出てたし顔色も倒れた時よりも良くなってるしね。
うん、私は良いことをしたね!
「シズク様の魔物を使役する能力は聞いておりましたが、まさか魔王まで使役なされているとは驚きでございます。」
あ、やっぱりヤハルさんは知らなかったんだね。
そしてすんなりと私の言葉を信じてくれるなんて嬉しいね。
「そうなんですね。」
「しかし、『成人の儀』は受けた方がよろしいかと思われます。」
え?
「えっと、それは何故ですか?」
メリットが無いのに受けた方が良いのかな?
あー、私に箔をつける為に何かを計画してるとか?
こんな美少女が勇者だなんて信じられないって人が多そうだもんね。
ゲームや小説では結構アリなんだけどね。
「まず、『成人の儀』を行わなければレベルが上がりません。
シズク様はレベルが上がらずとも良いと思っているかもしれません。
しかし、レベルとは女神メカルーネ様からの恩恵なのです。
能力を大幅に上げてくれます。」
うん、それは配下のゴブリンを倒してるのに私のレベルが上がらないから知ってる。
あ、でも静と忍はレベルが上がってるんだよね。
何か違いがあるのかな?
第一この世界でのレベルアップってどういう方法で行われてるんだろうね。
話からするとメカルーネさんが関係してるみたいだけど。
今度、神界に呼ばれたら聞いてみよう。
「そして前にも申しましたが、レベル0ではスキルを習得する事が出来ません。
スキルの有無の差はとても大きいです。
特にわたしはシズク様に耐性スキルを得て欲しいです。
ダメージや状態異常を防いでくれます。」
「スキル、ですか?」
そっか、スキルが問題なのか。
私が裏技でスキルを習得してるのを話してないからね。
うん、耐性スキルも属性の殆どは持ってるし状態異常の奴も毒と魅了と即死があるし。
そりゃ、ゲームでレベルが上がらない、スキル無しで魔王を倒せって言われたら大炎上しちゃうよね。
「また称号が手に入り易くなるのでございます。
一説には『成人の儀』によって女神メカルーネ様に偉業が知られ易くなるとの事でございます。」
「・・・へー。」
・・・私、称号を幾つか持ってるけど。
実際に会ったからあるのかな?
あ、でもヤハルさんも手に入り易くなるって言ってるし問題は無いかな。
元々、初めての異世界の人を召喚するから注目してたのかもしれないしね。
「最後に特性という物が追加されるのでございます。」
「特性、ですか?」
あ、【鑑定】で調べた時にハテナ表記で出てた奴だね。
「ヤハルさん、特性について教えてもらえますか?
初めて聞いた言葉なんです。」
「そうでございました。
シズク様は異界から来られた方でございました。
では話が長くなるのでお茶の準備をしてから説明をさせて頂きます。」
ヤハルさんがそう言って席を立った。
長くなるなら静と忍に玩具を渡しとこう。
双六でいいかな。
魔力でボードを二つ作って。
サイコロは一つだけ。
魔力で自動的にNPCの二人分が動くようにして。
『静、忍、聞こえる?』
『う、ん。』
『聞こえるよ!』
『二人とも退屈凌ぎに今から双六っていう遊びで遊んでみない?』
『う、ん。』
『何それ!?
遊ぶ、遊ぶ!!』
『よし、分かった。
静と忍に双六のボードを渡すから後は説明用のお人形を作るからちょっと待ってね。』
【マイムパペット】で双六の知識を知ってる話せる人形を作ってみよう。
・・・うし、成功かな?
後は二人のボードを魔力で繋いで二人とも同じ状況になるようにしておく。
駒は魔力で動くようにしとこう。
これで静と忍のボードの片方の駒が動いてももう片方のボードの駒も動くようになるはずだよ。
『じゃあ、必要な道具は送るよ。』
『う、ん。』
『お母さん、何か来たよ!?』
じゃあ二人とも双六を楽しんでね。
ゴールしたら別のステージに切り替わるようにしてるし、これで長時間遊べるかな?