第百ニ話 私、牛丼を作りました。
昨日の昼から何も食べてない娘達の為に今はご飯を作ってます。
腹が減っては戦は出来ぬ。
私から魔力が供給されてるから食べなくてもいいけどね。
でも必要ないからいらない訳じゃない。
現に二人とも喜んでるしね。
早速、調理室に行ってきました。
マグル教の方も忙しいそうに大量のひき肉を丸めて焼いてた。
テルさんの朝ご飯の準備かな?
挨拶もして料理に取り掛かろう。
今日は魔力で材料や器具を取り揃えて異世界風牛丼を作ってみる。
もちろん、牛の魔物の肉を使うよ。
高級な牛肉みたいな感じだからね。
こっちの世界でも中々取れない物らしい。
その牛の魔物、バーサークブルは強くて倒せる者が少なくてその上、一匹から少ししか取れない稀少な部位らしい。
自由に使って良いと言われたから使ってるけどね。
その肉を魔力で作った醤油や砂糖、味醂なんかで味付けをする。
魔力で炊いた、魔力で作った米を入れてる、魔力で作った丼の中に投入する。
もちろん、肉の味付けで出来た汁をたっぷりと掛けてね。
【浄化】で綺麗にした鳥の魔物、突撃鳥の赤い卵を割って薄ピンクな白身と真っ赤な黄身を牛肉の上に落とした。
突撃鳥の卵は色は派手だけどとっても濃厚で甘みもあるから牛丼にはぴったりだと思う。
最後に薬味として魔力で作ったネギを乗せて完成!
マグル教の人達が固まってたけど気にせずに牛丼の四人前を持って調理室から出た。
私と娘二人といつもご飯を食べてるヤハルさんの分だね。
さぁ、今日はどんな事をヤハルさんに聞こうかな?
スキルの種類でも聞こうかな、料理について聞こうかな、それとも城下街の事でも聞こうかな。
「・・・強化・・・出来ん!
勇者・・・弟子・・・あった!」
そんなワクワクとした気持ちでいつもの勉強部屋に行くと久しぶりな声が部屋から漏れてきていたよ。
この声ってもしかして・・・。
そう思いながらドアを開けるとそこには吸血鬼のような人がヤハルさんに対してウォンバットさんが喚いてた。
うん、ウォンバットさんは嬉しそうな顔をしてるけどヤハルさんが仏頂面だよ。
あ、コペル君も来てたんだ。
どうしよ、牛丼が二人分、足りないね。
忍の分は先に《時空間》で送ってっと。
・・・二つは魔力で作っとこ。
「おぉ、待っていたぞ、勇者!
君のお陰で素晴らしいスキルを得たのだよ!
レベルも上がりさらなる暗黒のスキルも得たのだ!
感謝するぞ!」
「そうですか、それは良かったです。」
朝から凄くテンションが高いよ。
そういえばウォンバットさんにスキルの事を聞けばいいか。