第一話 私、勇者として召喚されました。
私、女子高生だった早乙女雫。
趣味はアニメとゲーム、特にファンタジー系とRPGが大好き。
読むのはライトノベルのみである世間が言うオタクという人種。
私は今、とても興奮している。
どのぐらいの興奮度かと言うと憧れの先輩と話していたらデートのお誘いを受けるぐらいだと思う。
実際の経験はまだで殆どゲームの知識です。
歳イコール彼氏無し歴だからね。
決して私がブスって訳ではない。
ただ、私が奥手なだけである。
あとはちょっとだけ不運なだけ。
見た目も清楚な出で立ちだ。
濡れ烏のような艶のある黒髪。
しかも腰まで真っ直ぐ伸ばしてるから手入れはめんど・・・手を掛けてる。
顔だって小顔で目が大きい。
化粧をしなくても白くてプルプルだ。
面倒だからしない訳じゃない。
体はスタイリッシュだ。
余計なお肉は全然付いてないのが自慢だ。
決して胸がもっと大きい方がいいな、とか身長がもっと高いといいな、足がもっと長いといいな、とか思っていない。
魅惑のボディで何人もの男をメロメロにしてきたんだもん、大丈夫な筈だ。
その話は別にどうでもいい。
そう、私の前には、
「初めまして、勇者様。」
私にお辞儀する魔法使いらしき藍色一色のローブを着た真っ白なヒゲを蓄えたお爺さんとその奥には頭からつま先までお揃いの鎧を着た人達が居た。
私は周りを見回して見るが周りには他に人が居ない。
どうやら私は勇者として召喚されたらしい。
何故、私がこの状況を疑わないかって?
ふふん、それは私が世界を統一した元魔王だからなのでした。
似たような経験がある私にはこれが現実だって確信を持って言える。
あの時は召喚ではなく転移の方がしっくりくると思うけど。
元魔王の私が勇者になれるなんて、とても美味しい状況だと心の底から声高らかに申したいと私は思うんですよ!
なんかゲーム魂というか、違う種類のゲームをする時のワクワク感がたまりません!
興奮が冷めないけど挨拶は返さないとね!
「初めまして、異界の方々。」