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仕事〆日
私の仕事は営業事務だが、その中には発送業務も含まれる。
なので普段は汚れてもいいように捨て着を着用し、
周りの冷たい視線を無視してエプロンまで着用している。
だが仕事の一端の〆日ということで、たいした仕事もなかろうと、
珍しく普段着を着ていった。
邪魔になるので普段は上げている髪の毛もおろしていった。
仕事が終わり会議室でのことだ。
「お疲れ様でした」
つまみを囲み、すでにお酒を飲んでいる皆様に声をかけると
第一声目が、
「どこのお姉ちゃん(お水系)かと思ったよ!」
その後、
「これからご出勤?」「指名料はいくら?」
などと言われ、
それくらいなら私も適当にかえせたが、
社長からにこやかに
「源氏名は何?」
と言われた時は返答につまり、
社長のくせに!社長のくせに!そんな発言ありか!?
と動揺し、
「ヨ、ヨウコです...」
(真っ先に浮かんだ名前)
アドリブのきかない自分が過去最高に憎い。
もっといまどきの源氏名は考えつかなかったのか。
社長相手じゃ私だって緊張するのさ...。




