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鳥の話
少し落ち込み気味の友人から連絡がきた。
飛ぶことを諦めた鳥と、
飛ぶことができない鳥と、
どちらがマシなのだろうか、と。
私は考えた。無い頭を振り絞って考えた。
たとい半口を開けて、ボンヤリと上を見ていたとしても
真摯に考えていた。
しかし、それらを凌駕する程に、空腹を覚えていたのだ。
脳髄は空腹の神経を選んでしまった。
「手羽先、食べたいね・・・」
友人は一瞬の後、
「そうだね、食べたいね」
「手羽先って名古屋だっけ?」
「旅行がてら手羽先食べにいったら気分かわるかなぁ」
ごめん。力になれんかった。