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攻防戦 2
私の仕事場のPCには、
かわいらしいはぐれスライムが鎮座している。
青くて小さいそのスライムをとても気に入っている。
さて、仕事場であいも変わらず忙しいというのに、
疲れた目を癒すのさ、という大義名分の元フラフラしていた時だ。
ゴマちゃん発見。
あぁ、きっとこのゴマちゃんは私を癒すために
神様が置いてくれたに違いない。
なんて愛らしいんだ。
これを見ながらなら仕事もはかどる気がする。
迷うことなくそのゴマちゃんをポケットにギュっ。
「・・・キクゾウさん」
なんだい、M野さん。
「それ、僕のぬいぐるみなんですけど・・・?」
うん、とても可愛いね。
でも逆さになって転がってたじゃない。
だから奪った、もとい拾った。
そしてそのゴマちゃんを連れて煙草を吸いに行き、
「今日からここが君の席だよ☆」
とゴマちゃんと共に席に戻ると、
・・・・スライムが足りねぇ。
M野氏のもとに飛んでいくと、
「あぁ、はぐれスライムだからどこかにいってしまったんだよ」
「はぐれだからしょうがないね、アハハハ。」
確かにはぐれスライムならしょうがないか、
くそう、上手く返されてしまった。