年をとっても浅はかな
そして、最高の場所を発見した。惨劇の舞台はそこにする。
「ふん、脅しても無駄じゃ。あの人数で、儂の大群を敗れるものか」
抵抗もせず、ただ自信満々に笑っている猿。やはり猿なのだな、これだから猿は困る。
「ノブナガ、コレ持ってて」
光秀は大きな袋を俺に渡してくる。何が入っているのか疑問ではあったが、俺はそれに従う。
「カクゴしてね」
ニヤッと笑い、光秀は縄を持つ。そして一瞬のうちに猿を縛り上げて、どうやってか天井から吊るした。
「え、え……? 嘘、脅しじゃなかったのか……」
今更気付いたのか、猿はやっと抵抗を始める。しかしもう遅い。命乞いをしたところで助かりはしない。光秀が喜ぶだけだ。
でもまあ、普段の光秀からしてみれば考えられないよな。拷問グッズとか、絶対あわなそうだもん。苦しめるとか、絶対嫌いそうだもん。
「フフッ、フフフフッ。タノシイパーティのハジマリさ。ハッハッハッハ」
本当に楽しそうに、光秀は笑っていた。愉しそうに、光秀は嗤っていた。猿の顔は恐怖に歪んでいく。その姿に、俺も楽しくなってきた。光秀ほどの興奮はしないけどさ。
「ドウシテやろっかなぁ。じゃあ、ホンニンニに聞こう。ドウされたい? リクエストしてよ」
無邪気な笑顔とは違う、性格の悪い光秀の笑顔。嘲笑うような光秀の笑顔。そんな光秀は、キラキラと輝いていて可愛らしくて。
「……」
リクエストしてと言われても、猿は何も答えなかった。優しい光秀が折角聞いてあげていたのに。
「そっか。ナニも言わないんだ。それじゃ、クチなんかいらないよね」
最初からそうするつもりで、光秀はそう問い掛けていたのか。なんか、こんな光秀の姿久しぶりに見るな。一回解禁させたら、もう一度封印するのに時間掛かるんだよな……。猿め、どうしてくれる。
「んんっ! ん」
光秀の手によって、一瞬で口にはガムテープ。序でにアイマスクも付けられ、視界は奪われてしまった。
「この袋には何が入っているんだ? さっきからここから道具は出て来てるけど」
不思議に思って光秀に問い掛ける。光秀の拷問グッズ、早く全てお披露目して欲しい。
「ボクのグッズ入れ。イロイロアルし、長期戦にナルとオモウ。ノブナガ、ミセテアゲルからアンシンシテ。ソウだ! ココでセーブしておかないとだよね。モチロンアシタもヤルからさ」
それもそうだな。少し高級だけど、今こそ使うべきなのだと思う。セーブポイントじゃなくてもセーブできる、素敵なアイテムだ。




