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ノブナガの為に 壱
ノブナガ、待っててね。ノブナガを裏切りイチを傷付けたヤツは、ボクが絶対に懲らしめてあげるから。
「どうした少年。こんなところで何をしている」
声を掛けられたケド、ボクは話し合ってるほどヒマじゃないんだよね。
「ココ通してよ」
ボクは短くそう言ってあげた。でもボクがこんなに分かりやすく言ってあげてるのに、どうやら意味は伝わらなかったらしい。
「ゴメンね」
退く気がナイ様子だったので、ボクは木刀を抜いた。デキる限りヒトを傷付けたくはナイケド、退いてくれないんだもん。
ケガはさせないように一撃で気絶させると、ボクはモウ一度走り出した。
「一番エライヒトって、ドコにいるの? 教えて」
城まで走って行き、門のトコロにいたヒトに聞いてみる。
「何だお前」
でもソノヒトはイジワルで、ボクの質問に答えてくれない。
「教えて」
ダケドめげずに、ボクはモウ一度質問してみた。
「コノお城にいるの? 教えてよ」
聞いても答えてくれないから諦める。




