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石山合戦 参
悪くない? 明智殿、もう少し分かりやすくご説明頂けないのだろうか。
「ほう? で、どういうことなんだ」
説明を求める信長様。
「無理なんです。父上の意見を僕が覆すことなんて、出来ないんです。だけど信長君、父上を殺さないで欲しい。父上にも信長君を裏切って欲しくなかった」
じゃあつまり、長政殿は裏切りに反対してたってこと……か。
「ほう、分かった。市のこともあるし、俺も浅井と戦う気はなかった」
おお、心優しい信長様のお言葉。
「ってことで、ボクに任せて欲しいワケよ。ナガマサが可哀想だから、アザイを滅ぼすけどダレも殺さない。そういう約束なんだ。ねえノブナガ、それでいい?」
滅ぼすけど誰も殺さない? どうゆうことなんだ。
「ふん、いいだろう。それじゃ光秀、任せたぜ」
しかし信長様は分かったらしい。
「それじゃ、も一回行って来る」
ニッと笑った明智殿は、走り去っていってしまった。
「ありがとうございます! 信長君、本当に御免なさい」




