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石山合戦 弐
信長様のツッコミ、それには同感である。
「ウン、連れてきた」
明智殿が合図をすると、浅井長政殿とお市の方様と幼女が二人やって来た。
「お兄ちゃん、ただいまぁ」
「攫われてきちゃいました」
「初めまして、茶々と申します」
「初にございます」
四人が順に言い、一斉に信長様に礼をした。それにしても茶々って子、滅茶苦茶可愛いな。さすがはお市の方様のお子様、母親に似て美しい可愛らしい。
「あたしの娘よ、可愛いでしょ? お兄ちゃん、特別に抱かせてあげてもいいわよ」
無理な笑顔を浮かべ、わざと偉そうな格好をして言うお市の方様。
「娘? それも二人も……? いやそれはともかく、長政? どうしてここにいる」
疑問符を浮かべる信長様。いくら信長様と言えども、この状況の理解は苦しいということなのだろう。
「だから、攫われてきちゃいました」
は? 攫われてくるって、全然意味が分からない。
「ナガマサは悪くないから、ノブナガに一回会わせようと思ってさ」




