恋の罠

織田信長の戦い

美濃攻略 弐

「豊臣秀吉、俺が拾ってきた。その辺にいたから拾った、何だか使えそうだったしさ」

　でも本当に、気が利いて便利な奴なんだぜ？　しかし光秀は、不思議そうな顔をしている。

「へえ、凄いコトするね。サスガはノブナガだよ、他のヒトじゃデキないよソンなコト」

　えっとそれは、褒めているのか？　ちょっと、微妙なラインだよな。でもまあ構わない。

「まあイイや、よ～しノブナガ頑張ろうね」

　張り切った様子で、光秀は走り出す。えっ？　どこに行くんだよアイツ。

「おい信長、城建てといてってそんな命令ないだろ」

　俺が猿にした命令に対して、なぜだか勝家がそう言ってきた。別に勝家には関係ないし、その上別に可笑しな命令してないし。

「何も可笑しくない、普通の命令じゃないか？　城を用意しといて欲しいから、城を建てといてって言ったんだ」