表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

5/7

入学式

 Aパート 光視点



 今日は妹の高校の入学式だ。


 俺は休みで紫を見送りに起きてきた。


 「お兄ちゃん。どお、このセーラー服似合う」


 そう言われて、紫をじっくりみる。


 水色のセーラー服。襟の部分はラインは二本。白地に水色の線が入っている。タイの色は赤。スカートは膝が見えるか見えないかの長さで、白の三つ折りソックスを履いている。


 それに黒のローファーを履くはずだ。


 それにしても、紫は超絶美少女だ。


 ぱっちりとした二重にきらきらした黒真珠の瞳。筋の通った鼻に愛らしい真っ赤な唇。ふっくらとした思わず触りたくなる、バラ色の頬。バランスの良いパーツが整った顔立ちをしている。


 それにスタイルも良く、小柄でか弱く、思わず守ってあげたくなるのだ。


 なにより、魅力的なのはたっぷりとした豊かな髪だ。艶があり滑らかでいて良いにおいがする。


 腰まで伸ばして、サラサラのストレートだ。


 「よく似合ってるよ。紫」


 俺は紫に言った。


 「ありがとう。お兄ちゃん、行ってきます」


 そう言って、俺は紫を見送った。


 





 Bパート 小百合視点



 見た目は女子高生、中身は40歳の主婦の小百合です。テへェ


 ……自分でも戸惑っています。


 とりあえず、私は今、高校の入学式に出席しています。


 けれど、どういうことでしょう?


 私、ヒロインのはずなのにぼっちです。


 ある一人の新入生の女の子に皆、ちらちら視線がいっているのです。


 そういう私もその女の子に自然と目が向いてしまいます。


 サラサラロングストレートの髪が超きれいな女の子。


 とりあえず、さだこちゃん(仮)と呼んでおこう。


 新入生代表の挨拶が始まった。


 男の子だ。眉目秀麗な美少年だ。名前は、伊達政宗だてまさむね様。


 ッヒャッホーイーーー!!!!!


 やったぜ、ベイベ!?


 来たぜ、来たぜ、きーたーぜーーーいいぃぃぃーーーー!!!!!


 ……


 …………


 あ、私ったら、歳外にもなく浮かれてしまったわ。


 政宗様のお姿を拝見して、その美声を聞いて天国にいる心地になったわ。


 何を隠そうと私の生まれは千代せんだい、政宗様が治めるご当地出身なのである。


 この「ヒストリー恋絵巻2」の登場場面、間違いない!!


 ここは乙女ゲームの世界だ。


 それと、同時に私は「ヒストリー恋絵巻」の源氏物語があるのを思い出した。


 そう、息子がやっていたギャルゲーム。


 そうだ、ここはギャルゲームと乙女ゲームが混在する世界なのだと知ったのだった。




 



 こうして、入学式は無事に終わった。


 そして、私はある人物を探し出した。


 それは茶髪の短い髪に背がひょろりと高い。


 情報屋、猿飛佐助さるとびさすけだった。


 私は彼を見つけると声をかけた。


 「ねえ、猿飛君でしょう」


 「えっと、君はたしか花咲小百合だったね」


 「さすが、情報屋、ねえ猿飛君に教えてほしい。ことがあるんだけど……」


 「あの、髪が長くてきれいな、この世の者とは思えないほどの超絶美少女でしょ」


 「そう、その子のこと、教えて」


 「名前は源紫みなもとゆかり、歳は15、誕生日は3月3日、この高校に一つ上の義理の兄がいる」


 「そっか、ありがとう」


 「はい」


 猿飛君は右手を出した。


 「お手?」


 私は猿飛君の手に自分の手を乗せた。


 「違うよ。情報料だ」


 「え、お金とるの」


 「当たり前だろ」


 「分かったわ」


 「それで、いくら?」


 「500円だ」


 「はい、500円」


 「毎度ありー。それじゃ、またのご利用をお待ちしています」


 そういって、猿飛君は桜が舞い散る時の中で静かに、私の元を去って行った。


 現実はお金が必要なのね。シビアだわー。


 後でコウちゃんに相談しなくきゃ。







伊達政宗の領地の千代は仙台からもじってます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ