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無価値のレゾンデ~トル  作者: HAWARD
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どけるばん。

 いつものバス停にて――


「あ~……」

 疲れた声を上げながら月夜は肩を押さえ腕をグリングリンと回す。

「月夜おっさんくさいよ~」

「ん~なんか……首と肩が……なんか親指もイタいし……」

「あ~それはドケルバン病かもしんないね」

「ふえ? ドケル? なに?」

「ドケルバン病だよ」

「だからなにそれ?」

「ん~とね。ケンショ~エンの一種だって、スマホのイジりすぎで親指だけがケンショ~エンになる症状なんだって」

「へ~。でも――」

「ん?」

「名前がすっごく強そうだね。ドケルバン」

「ん~そうだね~」

 スマホに着信来たと思ってあわててポケットから取り出してみても着信もメールほなし。この症状も『ファントム・バイブ・シンドローム』とかいうそうです。

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