ちゅ~ごくのぎじゅつ。
いつものバス停にて――
「居酒屋のチェ~ン店が29日の『ニクの日』に『ごちそうビフテキ』が3倍のボリュ~ムで提供される『超ニクの日』が実施される――う~ん……3倍かぁ~……シャ~専用とか言わないよね?」
月夜がグルメ系アプリの中にあった、そんな記事に喰いつく!
「普段は1ポンド――450グラムのところ、『ニクの日』には3倍の2,9ポンド――約1,3キロのボリュ~ムで提供される――1,3キロっ!? いいじゃないっ!!!」
月夜は某海賊漫画にでてくるようなデッカイ肉の塊を想像する。
「んふふふふふふ――いっぱい食べられる……」
月夜が想像の世界に酔いしている隣では、
「チュ~ゴクでおどろきのたべものがハッケンされる?」
イブキが同じくグルメ系アプリの中にあった、記事に衝撃を受ける。
「ね~ね~月夜」
「ん~?」
ヨダレでマ~ライオンのようになっている月夜にスマホ画面を見せなが言う。
「みてよ! これチュ~ゴクのフライドチキンだって」
「なにこれっ!?」
スマホ画面には一見、フツ~のフライドチキン――しかし、2枚目にはそのチキンの上の部分を齧った画像が――!
「フライドチキンなのに肉ないじゃん!」
その月夜の言葉通り、衣のしたには肉も肉汁もなく真っ白な骨が見えていたっ!?
「これチキンじゃないよっ! フライドボ~ンだよっ!!」
我が事のように怒りを顕わにする月夜。
「でもさ~これってつくるのギャクにギジュツいるよね~?」
「そんな技術いる~?」
月夜が心底、不思議そうにそう言うのだった。




