お〜もり。
いつものバス停にて――
「う〜ん……大盛り無料のお店で残す是非かぁ〜……」
月夜が話題としてピックアップされたそんなスレッドを見ながら、
「残すのはあまり褒められた事じゃないケド、初めて入ったお店じゃ大盛りの量はわかんないしなぁ〜……」
「はじめてのトコでオ〜モリとかたのむの? おいし〜かど〜かもわっかんないのに?」
月夜の呟きを聞き止めたイブキが首を傾げながら訪ねてくる。
「確かにマズ……口に合わなかったら……」
「でしょ、でしょ!」
「でも、大盛りにしても値段一緒なんだよっ!」
「え~! あんまりおいしくないのにいっぱいあるとイヤじゃないの?」
「?」
イブキの言葉をまるで理解できないといった表情の月夜。
「えっと……だって値段一緒なんだよ」
「うん。でもマズくてリョ~がおおいとクツ~になんないの?」
「苦痛? なんで味と量はまた別の話しでしょ?」
「ベツなのっ!?」
「いっぱいあるとうれし~じゃない!」
「そ、そうかな?」
月夜のあまりにもキッパリした言葉に若干、自信がなくなるイブキ。
「口に合わなくてもいっぱいあるだけでうれしくない?」
「……うれしくない……とおもうけど……」
「あぁ……あんまり美味しくないケド、いっぱいある! 素敵!!――って」
「……なんないかな」
「う~ん……そっか~」
「そのまえにさ月夜」
「なに?」
「たべきれなくてのこしたコトあんの?」
「ないっ!」
自信たっぷりにそう言い切る月夜だった。




