たわ~。
いつものバス停にて――
「メガ盛りソ〜スカツ丼? ふふん♪ 」
月夜が愛用のグルメ系ニュ〜スアプリの中にあった、そんなタイトルの記事を開き画像が読み込まれるなり、上機嫌で変な声を洩らす。
「うえっ! なにそのカツタワ〜。たべものであそんじゃダメだよっ!」
画像が視界にはいったイブキがプリプリ怒りながら口を挟んでくる。
「違う違う。これはボリュ~ムのあるカツ丼よっ!」
月夜がスマホ画面を指しながら、言いかえす。
「えぇ! だってだって――いちばんうえのカツとゴハンのあいだすっごいあいてるよっ! ショ~テンのザブトンみたいになってるよっ!!」
「それが売りなのよ」
月夜は片目を閉じて、人指し指を立て茶目っ気たっぷりの仕草で言う。
「えぇ……ど~かんがえてもワルフザケのさんぶつにしかみえないよ……」
「お店の名前にちなんで高さ29.1もあんのよっ!」
少し自慢げにいう月夜。
「こんなんど~やってたべんの?」
「そりゃ~……」
さきほどまで自慢げだった月夜はそこでピタリと停止すると――まじまじと画像を見詰め。
「んと……上のカツを食べて、その後に下の御飯を食べて……」
「そんなふ~にたべんの? うえのタワ~みたいになってるカツがたおれてきたらど~すんの?」
「もうっ! うるさいなぁ!! 崩れないように食べるのよっ!!!」
イブキのツッコミにそう反論する月夜だった。




