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ご〜
いつものバス停にて――
「ふ〜みゅ……」
イブキがそんな声を洩らしながら、赤くなった首筋の虫刺されをポリポリと掻く。
「アメリカでPokemonGOがだいヒットちゅ〜かぁ〜……はやくニホンでもダウンロ〜ドできるようになんないかな〜」
ゲ〜ム情報を読みながら『ぺちん!』と脹脛にとまっていた蚊を叩く。
「そんなに人気なの?」
月夜がスマホで『カルビ専用ごはん専用カルビ』といった謎商品のレビュ〜を見ながら、聞いてくる。
「よっかで750マンダウンロ〜ドだって」
「ふ〜ん……そんなにすごいの?」
あまり関心なさそうに尋ねる。
「スマホのカメラモ〜ドないにARでモンスタ〜がヒョ〜ジされてから、それをつかまえるんだってさ〜プレイど〜がみるかぎりじゃおもしろそ〜だったよ」
少し興奮ぎみそう言うイブキに、
「捕まえてど〜すんの?」
「ど〜おって……」
「食べるの?」
「それはべつのゲ〜ム……」
温度差を感じずにはいられないイブキだった。




