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無価値のレゾンデ~トル  作者: HAWARD
794/4317

ぶた。

いつものバス停にて――


「ユニバ〜サルスタジオジャパンでつかわれてた『デロリアン』がオ〜クションにだされ、99オクえんのねがつけられる」

イブキが雑学系ニュ〜スのなかにあった、そんな記事に興味を抱いた。


「ほえ〜……キュ〜ジュキュ〜おくえんかぁ〜……すっごいキンガク」

出品者もそう思ったのか入札注意事項のとこに住所、氏名、メ〜ルアドレスが確認できないと入札取り消しになるという記載があった。


「ミニブタいいかも……」

イブキが桁違いの金額に目を回してる隣でアニマル動画を見ていた月夜がそう洩らす。


「意外と綺麗好きでネコやイヌのアレルギ〜のある人でも飼えちゃうミニブタ」

そう言いながら、ベッドの上でスヤスヤ眠る小さなブタの画像が映るスマホ画面をニヤニヤしながら見つめる月夜。


「頭も良くトイレの躾もできるかぁ〜……飼ってみよ〜かな?」

その呟きに、


「でも、おっきくなったらたべちゃうんでしょ?」


「た、たべないわよっ! あぁ……思えば牧場で唯一、ウチから逃げなかったブタさん……寒いのか少しプルプリ震えてる背中を撫でた時のザラザラした毛並み……」


「……だから、それはキョ〜フですくんでうごけなかっただけだってば」


「そ、そんな事ないわよっ!」


「でもさ〜ブタさんかったらもうブタニクたべられなくなるんじゃない? かってるブタソ〜ゾ〜しちゃってさ〜」


「あぁ……それは平気。食べてもこんなに美味いんだっ! って思うダケよっ‼︎!」

いとも容易くそう言い切る月夜に、


「やっぱ、いつかガマンできずにたべちゃいそ〜」

と疑念を膨らませるイブキだった。

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