てすと。
いつものバス停にて――
「あ~……テスト……テスト……ダルい……ダルい……ねむい……かえりたい……」
盛大なタメ息の後に呪詛のように不満を吐き出すイブキ。
「そんな事でグダグダしてる暇があったら勉強すればいいのに」
単語帳を見ながら月夜が律儀に反応する。
「え~! ヤダよ~。ベンキョ~ダルいもん」
「親なんも言わないの? 成績良かったらご褒美にゲーム買ってあげるって言われたらアンタでもがんばるじゃない?」
「う~ん……そういうのはないな~」
「へ~そうなんだ?」
「うん。おと~さんがオフゲー大好きでおか~さんがオンゲ~大好きだからタイテ~のハードは家にあるし、パソコンもおか~さんのお下がり組み込めばすっごく高セイノ~なやつできるからね。DDR4のメモリ転がってる家なんてイブキさん家ぐらいじゃないかな~(2014年7月現在)」
「ゲーム家族だね~。でもゲームばっかありしてると赤点とるぞ」
「そこなんだよっ! むかしあった『ゲームばっかしするとキレやすくなる』とかいうトンデモ論のせいでサベツされてばっかし! イブキさんだったら学生に1日20時間イジョ~クソゲープレイを義務化させるのに――忍耐も挫折も――そして、そこからのタッセ~感もえられる! しかも犯罪率も下がる」
「なんで?」
「だって――1日20時間クソゲプレイして4時間睡眠で犯罪おこしようがないもん」
「いや……そんな生産性の人ばっかしになったら日本滅ぶから!」