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ちゅ〜もく。
いつものバス停にて――
「おぉ! あしたからサ〜ティワンのしんさくはじまんのかぁ〜!」
イブキが瞳を輝かせながら、そんな事を洩らす。
「日中はあったかくなってきたとはいえ、こんな時期にアイス?」
月夜の言葉に、
「さむいときのアイスもいいんだよっ! 月夜だってまなつのエンテンカのなかでラ〜メンいったりするじゃん‼︎」
「あ、あれはあれでいいのよっ!」
「ナツのうっすいセ〜フクでアセかきながら、ラ〜メンたべてんだもん、おみせのオトコのヒトみ〜んな月夜みてたんだよ」
「そうなのっ⁉︎」
「うん。イブキさんもがんばって『はふはふ』しながらたべたのにだ〜れもみてくんなかった……」
正確には月夜を見ていたワケではなく月夜の平らげた6杯の器を見ていたワケなのだが……。
「ふふ〜ん♩ やっぱし男性食べる女の子の姿が好きなんだよっ!」
「う〜ん……そ〜なのかな〜?」
こうしてモテからまた遠ざかる二人だった。




