ちゃいな。
いつものバス停にて――
「これね! デカからあげクン‼︎」
月夜が口の端に付いたソ〜スを桜色の舌先でぺろっとしながら、
「ふ〜ん……通常の1、4倍の大きさね〜……おぉ! ミックス味っ⁉︎ 『レギュラ〜』『チ〜ズ』『レッド』が一度に味わえるっ⁉︎ ど〜ゆ〜事だろ? ひとつのカップにそれぞれ一粒づつ入ってるって事なのかな?」
月夜がそんな事を呟いていると、
「あっ! これイイなぁ〜! カワイイ‼︎」
イブキのそんな声聞こえてきた。
「月夜、月夜! みてよ、これこれ‼︎」
と、ものすごい強引さでスマホを月夜の頬にグイグイめり込ませるイブキ。
「いたたたたたた――スマホで頬グイ意外と痛い‼︎」
「もう……なんなのよ……」
頬にスマホの痕をつけたまま怨みがましい視線を送る月夜。
「これこれ」
と差し出してくるスマホ画面に自分の顔のアブラが付いてる事に気付き、受け取ってから画面見るフリをしながら、そっと拭き取る。
「ええっと……チャイナ風下着? あぁ〜……チャイナドレスっぽいデザインって事ね」
そう言いながら、赤を基調とした下着というよりも水着に近いブラとショ〜ツの画像を見る。
「たてえりのベストとスリットいりのスカ〜トもついてくんだよっ! イブキさんのカレンさにジョ〜ネツのあかいシタギ! もう――」
「貧相なアンタがこれを着る……なんか想像したら哀しい感じしかイメ〜ジできないんだケド……」
ものすっごい憐れみを込めた月夜の視線に黙り込むイブキだった。




