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たべほ~だいはアリ?
いつものバス停にて――
「一日90分しか営業しない幻のカツ丼屋? カツ丼で割とどこでも同じ味だケド……」
そんな事を洩らしながら、お店のレビュ~を読んでいく。
「月夜、月夜!」
突然、隣のイブキからあわただしい声がする。
「な、なによ? ウチは今おいし~て評判のカツ丼屋の――」
「そんなコトよりもタイヘンなコトだよっ!」
イブキが諸手を上げて、大変さを表現しながら言う。
「これみてよっ!」
そう言って差し出したスマホ画面には――
「女子に聞いたデ~トで食べ放題はアリ? かナシか? また下らない事を……で、ウチがフツ~の女性と違うって言いたいの?」
「ち、ちがうよ……それにケッカみてみてよ」
「ふ~ん……ど~だか……あっ! でも、食べほ~だいオッケ~の人のが多いのネ」
月夜が少し嬉しそうに言う。
「なんでコレが大変なの?」
月夜がイブキに問い返すと、
「みんな月夜みたいになっちゃうと、イブキさんのよ~にショウショウなヒトのたちばが……」
「アンタの立場は割と~でもいい」
バッサリと斬り捨てる大食女子だった。




