きゃらめいく。
いつものバス停にて――
「ミカンまるごと使ったミカン鍋? 鍋っ⁉︎」
月夜がグルメ系の記事にあった見出しに驚きの声を上げる。
「山口県に実際にある鍋料理なんだ〜……ふ〜ん……おもしろそ〜」
そんな事を呟きながら、先を読み進める。
「基本は魚介類と焼きミカンの鍋――焼きミカンっ⁉︎ またウチの知らないの出てきたっ⁉︎ 皮剥いて中身を鍋にいれると思いきや、皮のままオ〜ブンで焼いて鍋にドボンとは……」
と、月夜が意味不明な敗北感を味わっている隣では、
「ねね」
イブキがスマホ片手に嬉々とした表情で話しを振ってくる。
「ん〜?」
「月夜はゲ〜ムのキャラメイクのときにセ〜ベツど〜してんの?」
「ん〜……」
月夜は律儀に過去の記憶を掘り起こして思い出す。
「ウチは……だいたい自分と一緒かな〜……あっ! でも男キャラ多めのロ〜プレとかなら……ん〜……なんでもない」
「あのね……じぶんとイッショのセ〜ベツにするヒトが70パ〜セントちかくいるんだって」
「へぇ〜……やっぱし自分と一緒のが感情移入しやすいとかかな? アンタも女の子にすんの?」
「ううん。イブキさんだいたいゴツイマッチョケ〜のオッサンキャラにするよ! カオにキズがあって、ちょっとクラいカコがあるよ~なカゲのあるキャラにするよ!!」
「なんか……ベル〇ルクのガ〇ツみたいなキャラ」
「そそ。そんなかんじ。あとは――ゲ~ムがウマかったらイブキさんのリソ~のヒト!!」
「そんな感じの人がゲ~ムやってる姿イメ~ジできない」
そういって再び頭を抱える月夜だった。




