でらおき。
いつものバス停にて――
「おっそーいっ!」
月夜がイブキの姿を見るなりそう言って熱り立つ。
「ごめんごめん。さむくて、なかなかオフトンのソトでるカクゴはできなくって……」
あまり申し訳なさを感じさせない様子で言うイブキ。
「もう、おかげで一本バス遅れちゃったじゃない」
「ダイジョブ。ワンチャンさえあればイブキさんにはジュ〜ブンさっ!」
なぜかドヤ顔で言うイブキに、
「はぁ〜……明日から遅刻しないようにスマホにこのアプリいれてよ」
素早くイブキのスマホを奪うと、手際よくアプルストアに接続してインストール待機画面を見せる。
「『デラオキ』へんななまえのアプリ」
「ふふ〜ん♪ この目覚ましアプリはね、アラ〜ムが鳴りだして一定時間、スマホを振り続けないと音が止まらないんだから!」
「へェ〜……でもアマいよ」
イブキはなぜか無いムネを張りながら、
「そんなのどっかのシュ〜ノ〜ボックスにいれちゃえばカンペキ!」
「ふふ〜ん♪ 甘いのはそっちよっ!」
「なにっ⁉︎」
イブキはカ〜ドバトルアニメのキャラクターのようにテンプレ的な反応をする。
「このアプリはさらにツイッターと連動してて、アラ〜ムを止めないと予め作成された文章が全世界に向けて発信されるようになってるのよ」
「な、なんだって〜‼︎」
「そして今、ウチが作成してる文章はこの前、一緒に買い物にいった際知ったイブキのバストサイズ」
「はっ! あ、あのときの……」
「ふふん! 作成完了。これで次に遅刻した時には全世界の人がイブキの貧乳っぷりを知ってる事に――」
「うわ〜ん! ホントにそれだけはやめて〜‼︎」
イブキの本気の懇願。月夜の完全勝利だった。




