おしり。
いつものバス停にて――
「ドラクエヒ〜ロ〜ズⅡ、5がつ27かにケッテ〜したんだ! まえのやつおもしろかったなぁ〜……イブキさんはムソ〜け〜、そんなにすきじゃないんだけど、ぞくへんでるならほし〜とおもったよ」
イブキが新発売されるゲ〜ム情報を見ながら、
「ん⁉︎ ほ〜ほ〜カンコレのダミ〜パッケージとどいたのかっ⁉︎ これはライゲツでるのかな? いや、でもたいしたジョウホ〜ないし……ワンチャンあるってテ〜ドにはキタイしとこっと」
イブキがそう言いながら月夜の方を向くと、
「あ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!」
イブキが月夜を指して、
「月夜がおしりたべてるゥゥ⁉︎」
「お、お尻じゃないわよっ! ハ〜ト型‼︎ ハ〜ト型の中華まんっ‼︎!」
そう言いながら、『♡』の下のほうが食べられお尻っぽくなった中華マンを見せる。
「モモマン?」
その形からイブキが味を想像する。
「生チョコまん」
「おいし〜の?」
「う〜ん……悪くはないケド……ウチには合わないかな? 肉まんかカレ〜まんにしとけばよかったと後悔してる」
「ちょっとチョ〜ダイ」
そういってハ〜ト型を無残に半分に割り、
「うぉ! なかから……なかから……トロっと……チョコでてきたよ」
「制服にこぼさないようにね」
3分の1になった中華マンを一口で片ずける。
「あっ!」
「ん〜?」
「月夜から、ちょっとはやいバレンタインチョコもらちゃった!」
嬉しそうな表情でそう呟くイブキ。
「えっ! そ、そんな……大した物じゃないし……で、でもアンタがほしいなら、もっとちゃんとした――」
「はい。おかえし」
そう言ってカバンから少し齧られたシュ〜クリ〜ムを出して渡す。
「おまえ……ウチを残飯処理機かなにかと思ってない?」
イブキの歯型が残る大きなシュ〜クリ〜ムを手に乗せ冷めた表情でそういう月夜だった。




