ノ〜ゼ〜でダイオウグソクムシ。
いつものバス停にて――
「う〜ん……かんこれ……らいげつでるハズなのに……コ〜シキもジョ〜ホ〜なしかぁ……このパティ〜ンはナツまでのびるかんじかなぁ……」
イブキがゲ〜ム情報を見ながら諦めた様な――一種、悟りの境地に達したかの様な表情で呟く。
「ふ〜ん……ふるさと納税でお得に高級食材をゲットしよ〜かぁ〜」
月夜は月夜でそんな記事を読んでいた。
「ん? ふるさとノ〜ゼ〜ならサイレントヒルのやいづしがイイよぉ〜」
「焼津市? なにがもらえるの?」
「ダイオウグソクムシ!」
「いらんっ‼︎」
全力でそう言い切る月夜に、
「ひっどいなっ! グソクたんにそんなコトいうなんてっ!」
イブキは憤慨しながら、
「シンカイにいるのきカアツソ〜チもいらずにレイゾ〜でそのままかえんだよっ!」
「冷蔵庫開けたらダイオウグソクムシモゾモゾしてたら悲鳴上げるわっ!」
「むう……そ〜いわずにグソクたんはイイとこいっぱいだよ」
そう言いながらダイオウグソクムシの詳しい生態が書かれたスマホ画面を見せにくる。
「え〜! ま、まあ見るだけなら……」
イブキに圧される様にして、しぶしぶ受け取る月夜。
「え〜っと……なになに……食べると海老や蟹のような甲殻類特有の味! 食べれるんだっ⁉︎ しかも結構おいしんだっ⁉︎ でも……でも……あ〜……じゅるり」
「たべちゃダメだよっ!」
ダイオウグソクムシがちょっと好きになった月夜だった。




