ことしのリュ〜コ〜
いつものバス停にて――
「う〜ん……カップ焼きそばの『フライドチキン』味って……?」
月夜がグルメ系ニュ〜スにのっていたそんな記事を読みながら小首を傾げる。
「ふ〜ん……パ〜ティ〜の人気メニュ〜であるフライドチキンをイメ〜ジしたカップやきそばなんだ、へぇ〜」
レビュ〜を読みながらそう洩らす。
「おぉ! ことしもイブキさんのモテきがぁ‼︎」
そんな全人類の歴史を紐解いても一度も――一瞬たりともなかった時期を口にするイブキ。
「今年も? アンタがモテた時を見た記憶がないよ〜な……」
と、月夜もそんな反応をしている。
「ほらほら――」
そういってサイズのあっていない制服の袖をパタパタと振って見せる。
「こねれキョネンもいったケド『モエソデ』っていってオトコのヒトの74パ~セントのヒトがスキなんだってっ! キョネンもコトシもやってるイブキさんはモテキと~らいといってもカゴンじゃないハズだよっ!!」
「あら? 本当に一年たったのに……全く成長していない……」
月夜がホワイトヘア~デビルのような表情で呟く。
「せ、セイチョ~してるモンっ!」
「どこが?」
「おな――ムネ!」
「ホントに?」
「――の、ちょっとした……0,2ミリぐらい……」
「太っただけじゃないの?」
「う~……」
イブキは涙目になってバス停の時刻表に額を当てると、そのまま落ち込んだ。




