も〜
いつものバス停にて――
「う〜ん……らいねんのスマホはクガツよりはやまるカノウセ〜も⁉︎ また、むかしみたいにナツにはんばいされるよ〜になるのかなぁ〜」
イブキが4sまでの頃を思い出していると、
「んんぅ⁉︎」
月夜が突然、妙な声をあげる。
「イブキ! イブキ‼︎ 来年の1月24日でスキヤキで有名な名店で食べ放題――」
「イブキさんちょっとヨ〜ジを――」
と、言いながら踵を返すイブキの肩が力強く――力強く『ガシっ!』と掴まれる!
「用事ってなぁ~に?」
「え、えっと~……」
「ほら、ないでしょ。で、――で、来年の1月24日に――」
「わ~! 月夜ひとりでいってきてよぉ~。そっちのがいっぱいたべれるよ、たぶん……」
「あら、スキヤキはみんなで食べるからおいし~のよ」
そういってもう片方の肩にも手を置いて捕獲強化をする。
「イブキさんウシさんになりたくないモンっ!」
「毎回「も~ムリ!」とか「も~はいんない!」「も~かえして!」とか「も~も~」言ってるじゃん」
そういってイブキのスマホで予約を入れながら学校に引き摺られていくイブキの心中にドナドナの歌が響き渡ったのだった。




