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無価値のレゾンデ~トル  作者: HAWARD
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もえしちゅ。

いつものバス停にて――


「ファミマ限定の『きなこモチアイスバ〜』かぁ〜……そろそろ肌寒くなってきたし、あったかい中華まんとかのがイイのになぁ〜……わっ!」

夏場に食べたらさぞおいしそ〜なアイスの画像を見ていた月夜の腕が唐突にひっぱられる。


「ぎゅ〜」

イブキが月夜の腕に身体をからめ頬を腕にすりつけるようにして密着させてきた!


「ちょっと! ど〜したのいきなり」

イブキの不可解な行動に戸惑う月夜。


「うん〜……こ〜やってさウデにすりついてカオをスリスリさせるとのがイイんだって」


「へぇ〜……って、ウチにそれをやっても困るんだケド……」

と、本当に困り顔の月夜。


「ねね、ドキっとした? キュンとした?」


「驚いたって意味でドキっとはしたケド……」


「そっか、そっか」

 イブキは満足しながら『腕ぎゅ』と描かれたメモ帳の横に〇をつける。


「これでよしっ! え~っと……つぎは――月夜これみてよ~」


「ん~?」

 イブキが差し出すスマホ画面を何気に覗き込んだ月夜――その頬に違和感がしたのは次の瞬間だったっ!?


「……なんで頬ひっつけてくんの? しかもスマホ画面には『ハズレ』って書いてあるし」


「これが『カオチカ』『ホホツン』だよ。ねね、ドキっとした? キュンっとした?」


「イラっとしたかな? もう離れてよっ!」

 頬をあからめながらイブキを突き飛ばす月夜。


「テレちゃって」


「通行人に笑われて恥ずかしったのをポジティブに理解すんなっ!」


「じゃ、これでさいご!」

 イブキはおもいっきり月夜の背中に抱き着く!


「これが『せなかバイン』だよ」


「バイン? なにっかがぶつかってきた感触しかなかったケド?」

 そう言いながらイブキの限りなくゼロに近い胸に視線を合わせ、


「あぁ……それじゃ仕方ないかぁ……」

 月夜の憐れみに満ちた視線を受けてバス停にもたれかかる様に落ち込むイブキに、


「感想も聞く?」

 という月夜の問いフルフルと頭を横に振るイブキだった。

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