いぶっとまん。
いつものバス停にて――
「そ~がく840おくえんかぁ~……」
イブキがスマホ画面をみつめながら呟く。
「なにが?」
金額から五輪の国立競技場の予算でも決まったのかな? と予想しながら、
「ん?」
イブキがもってるスマホの画面を見せ、
「ことしのハロウィンでやるイショ~のおかね」
「高すぎじゃないっ!?」
「イブキさんはホンモノシコ~なのっ! このホンモノのバットマンとおなじイショ~にモ~ビル、しつじのアルフレッドさんのキュリョ~」
「いやいや。最後の執事の給料とか絶対いらないよね? ハロウィンで一日だけだし」
「う~ん……でもアルフレッドさんははずせない……」
「そこに至っては衣装じゃないし! むしろそこ絶対にいらないトコだと思うよ。マスク、マント、とかだけでいいじゃないの?」
「え~! ヒ~ロ~のつよさまでサイゲンできないじゃん!!」
「そう簡単にヒ~ロ~の強さまでマネできたらいじめられっ子は苦労しないわよ」
「そっかな~? 月夜ならTシャツ、タンパンでなみのヒ~ロ~ぐらいのカツヤクはできそ~だよ」
「ウチ、愛と勇気だけが友達なのはイヤだな……」
少し考えた後にそう返す月夜だった。




