こどもじた。
いつもバス停にて――
「う〜ん……ついにつぎのバ〜ジョンアップでLv90になるのかぁ〜『イブキさん』(筋肉ムキムキのオ〜ガ〜♂)がまたつよくなるんだなぁ〜」
イブキが自分のやってるオンラインゲ〜ムの最新情報を見ながら感慨深く呟く。
「イベントで鯛焼き親善大使が鯛焼きを熱く語るかぁ〜……鯛焼きかぁ〜そろそろ、そ〜いうのがおいし〜季節に なってきたねぇ〜じゅるり」
「シッポまでギュギュ〜にアンコつまってるとうれし〜よね!」
「アマいわねイブキ……ホント餡子のよ~にアマいわ」
月夜は渋い表情のままそう洩らす。
「い~よ。アマいはセ~ギだモン!」
「ただ甘いだけじゃダメってゆ~話しよっ!」
月夜は腰を曲げ一指し指を立て言い聞かせるような口調で、
「尻尾の部分まで餡子がはいってるのは餡子の甘さが控えめな時だけ、甘い餡子の場合は尻尾まではいってないのが普通なんだよ」
「へェ~……でも――やっぱしアマイのでギュウギュウがイイっ!!」
「そんなに餡子好きだっけ? 好きな中華まんは?」
「カレ~!」
「ただ、お子様な舌なだけじゃん!」
少しづつ寒くなってきた秋の朝空に月夜の声が響いた。




