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これみてよっ!
いつものバス停にて――
「美味しいと評判の『パキシエル』パキシエラ~という中毒者も出現!?」
月夜が愛用のグルメ系ニュ~スでそんな記事を読んでいると、
「なになに? そのアイスがしりたいの? ちょっとまっててネ。イブキさんのシンガタ――」
イブキが陽光の輝きを跳ね返すピカピカのスマホを掲げながら、
「ううん、いい。もう画像のってるし……へぇ~……ベルギ~産のチョコつかってんだぁ~……じゅるり」
と、月夜はイブキのほうを見ずに断りをいれる。
「お~! みてよ月夜!!」
そういってピカピカのスマホを――
「へぇ~……ガリガリ君にコンソメ味がでるんだぁ~――あぁ、この記事に画像載ってるから調べなくてもいいよイブキ」
「もう! みてよっ!! シンガタだよ! きの~でたっばかんだよ!!!」
ついに耐えきれなくなったイブキは直で月夜の顔の前に新品でピカピカのスマホを差し出して、振る。
「わかった、わかった。ちょっとイジワルしただけじゃない」
頬を膨らませてスマホを顔に押し付けてくるイブキにそういって宥める月夜だった。




