虚構と真実と親の青春。
いつものバス停にて――
「アイフォンの上に乗ると体重が計れるんだ~」
イブキと雑談をしている傍らでスマホをイジっていた月夜がふとそんな事を呟いた。
「いまさらだな~。IOS7にするとボ~スイになるんだよ」
「ホントにっ!!」
「すっごいっしょ」
「は~ホント感心しちゃうわスマホの進化には……そういえばさ――」
「ん~?」
「スマホの進化といえば、イブキん家はいつからスマホOKだったの?」
「えっ! そんなんさいしょからですけど? おと~さんもおか~さんもネット利用するし、なんなら使いこなしてるからJC(女子中学生)やJS(女子小学生)はスマホダメ~みたいなモンウチにはなかったよ」
「へ~」
「もちろん課金系や変なアプリをダウンロードできないようにアカウントパスワード教えてもらってないけどね……って、ゆ~かいまもイブキさん自分のスマホのパスワードしらないし……」
「ふ~ん……自由を尊重しつつ割としっかり規制するトコはやってんだね」
「まあ二人ともちょ~どケ~タイがフキュ~してる時が青春ジダイだったから、おと~さんなんか浮気のためにあらゆるシークレット機能使いまくっておか~さんはそれを解除するのにネゴトとか録音して解除コードさがしたり~」
「なんで親のそういう情事を知ってんだ!」
「んふふふふふふふ、二人とも娘にはシークッレトアマから」
「は~アンタも立派に二人の血を継いだってワケなんだ~」
あきれ顔で呟き月夜。
「そうそう、ソーシャルゲーの課金が問題視されてたときなんってチョ~ドライだったよ~。「なんでたかがデータに金出すのか意味がわからん。あのくらいだったら自分で作れるぞ」だってさ~」
「ふ~ん……まあ、なんだかんだアンタとこは立派だと思うわ」
「ああ、月夜――」
「いまさらだけど、スマホの上に乗っても体重計れないし、IOSアップデートしても防水になんないからね」
「えっ! あれデマなの!!」