ばるす。
いつものバス停にて――
「ハ〜ゲンの新味『ハニ〜チ〜ズタルト』こんなん絶対おいし〜に決まってる!」
月夜がアイスカップの画像を見ながら呟いていると、
「バルス!」
と、どこかで聞いた事のある不吉な呪文が耳に入ってきた!
「お〜! ホントだった」
イブキが感心したような声をあげる。
「なにやってんの?」
そんなイブキに呆れ顔のまま尋ねる月夜。
「んとね……Siriちゃんにね『バルス』っていれるとおもしろいハンノ〜するってきいたからやってみたの」
そう言いながら差し出すスマホ画面にはsiriが起動おり、
『目が! 目が! いえ画面がRetinaディスプレが!』
と、表示されていた。
「なにコレっ!?」
「おもしろいでしょ! ねね、月夜のもやってみてよ」
「えぇ!?」
「はや! はやく!!」
半ばイブキに押し切られる形で、
「ば、ばるす……」
周囲を注意しながら恥ずかしそうに音声入力する。
『言ってしまいましたね……数秒後にこのスマホは消滅します!』
「わっ! どどどど、どしよ~爆発しちゃう!」
取り乱す月夜に、
「ダイジョブ。ほら、したにジョ~ダンってかいてあるよ」
「あ! ホントだ」
Siriの返答パタ~ンに感心した月夜だった。




