もる――ものがない。
いつものバス停にて――
「ちっぱいでもきれる、ワイヤ〜ビキニっ⁉︎」
イブキがオシャレ系ニュースの中でそんな如何わしい見出しの記事を発見する。
「イブキこのまえ気に入った水着買ったんじゃないの?」
月夜がマックドリンク全サイズ100円というニュ〜スを見ながら答える。
「ん? まだかってないよ――こ〜やってあとからイイものがでてくるからまってたんだ!」
「ふ〜ん……いっそ彼氏に決めてもらうってのは?」
「おぉ! イイね‼︎ いっしょにショッピングデ〜ト」
「いや……そ〜すればムダな買い物しなくていいじゃないって事なんだケド……毎年、できない彼氏のために水着買うなんて無駄じゃない?」
「ムダじゃないよっ! イブキさんのこのあふれだすセクシ〜さをミズギというブキでさらにキョ〜カしてノ〜サツすんだからっ‼︎」
そう言い切るイブキの下から上まで見ながら、
「セクシ〜のカケラもないのにビキニになってさらに残念になるの間違いじゃない? そのワイヤ〜ビキニだってちっさい胸を盛って大きく見せるんでしょ? イブキはそもそも盛る程度もないから……」
という月夜の言葉を聞きながら自身の胸を確かめるように触った後、地面に両手をついて落ち込むイブキだった。




