そうしょくけ〜
いつものバス停にて――
「ねぇねぇ」
「ん?」
「月夜はさ、もし宝クジで三億円当たったら友達に話す?」
「ん~……」
少し考えた後に、
「自分でわざわざ言いふらしたりしないと思うけど、聞かれたら正直に答えるかな~」
「え~。イブキさんには教えてくれないの~?」
「なんでアンタに教えなきゃいけないのよ」
「そこは、ホラ――親友?」
「そこで疑問形になるやつには言わなくてもいいと思うけど……」
「まあ、月夜の様子がおかしかったらすぐ気付くけどね~」
「へ、へぇ~。じゃウチに彼氏できてもすぐわかんの?」
「そんなのソッコ~でわかるよ。二秒だよ! 二秒でわかるよ」
「わんないよ! ウチはそんなに単純でわかりやすくないモン!」
「わかるよ。まず常にソワソワしてんのに機嫌良さそうにウキウキして、ときどきスマホを気にしながら、なんか想像して楽しそうにしてると思うよう、基本乙女だし」
「う〜……なんかわかんないけど、だいたい合ってる気がする……」
「でしょ〜」
「い、イブキは彼氏できたらどんなんなるんだろ?」
「さぁ〜そもそも彼氏できる気がしな〜い」
見事な草食系女子であった。