ねごと。
いつものバス停にて――
「へ~。イブキ、イブキ」
「ん~?」
「見て、見て。自分の寝言を録音できるアプリだって」
「おぉ! なかなかおもしろそう」
「じゃ、一緒にインストールして今夜の録音して寝て明日聞くってのがどう?」
「いいね」
そして、いつものバス停にて――
「おはよ~月夜」
「あ! イブキおは~」
「ちゃんと録音した?」
「したした~」
「じゃ、イブキからさきに――」
「あい」
そういうとスマホのミュージックをタッチして、その中にある音声ファイルを再生する。
『……う~ん……が……」
「お~意外と良さげな音質」
「ホント。ハッキリと聞き取れるね」
『ガンダムは大きくて重いから何回かに分けて運ばないと……』
「「ファ!?」」
予想外のセリフに二人が驚く。
「なんでそんなん運んでんの? 一体どんな夢みてんの⁉︎」
「なんでだろ〜?」
「イブキは言ったんじゃん!」
「そんなコト言われたってわっかんないよ〜もう月夜のはど〜なのさ」
「ウチ?」
「月夜のも聞かせてよ〜」
「ウチのはたぶん何にもはいってんしと思うけど……」
そう言いながらスマホの音楽ファイルを再生させる。
『……』
「ほらほらウチはなんにも言ってない」
『……うれしい……』
「ぬ!」
『ウチもーーウチもずっとーーずっとーー』
「おぉ⁉︎ こ、これは本邦初コ〜カイ月夜の想い人」
途中で止められないようにスマホを奪うイブキ。
『ずっとーーずっと好きでした』
『鬼小島弥太郎くん』
「「いや誰???????」」
結局、誰かわかりませんでした。
自分の寝言、予想以上にイミフです。