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たいぼ〜
いつものバス停にて――
「まだかな〜はやくこないかな〜♪」
月夜が上機嫌で歌っぽいなにかを口ずさむ。
「なにが? なつやすみ?」
イブキが月夜歌詞に質問する。
「違う違う。これよこれ――」
そういって月夜はスマホ画面に映ったカップヤキソバを見せる。
「えぇ……これをまってんの? うたちゃうぐらいに……」
あからさまにテンションの下がったイブキが呟く。
「そ〜なのっ! やっと再販されるんだ‼︎ しかも今度は湯切りの時にフタがズレて『麺どばぁ』がないよ〜改良されてんだよっ‼︎」
イブキのテンションとは対照的に上機嫌で月夜が解説する。
「へェ〜……そなんだ」
「あっ! でも――」
「そ〜だよね。そこまでフューチャーするモンじゃな――」
「なんか『麺どばぁ』がなくなったのはファンとしてはちょっと寂しいかも?」
嬉しそうにそういう月夜にイブキは言葉失った。




