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ゆかた。
いつものバス停にて――
「ゆかたかぁ〜」
イブキが今年、流行りそうな浴衣の柄を物色しながら呟く。
「ねぇねぇ――」
イブキはスマホアプリの単語帳機能を使ってた月夜に話しかける。
「ん〜?」
と、気の無い返事をする。
「月夜はさ〜ことし、どんなゆかたきる?」
「浴衣?」
「うん! きるでしょ? ひとなつにいっかいぐらい」
「ウチ、浴衣もってないから。着付けもめんどいし、髪を結わないといけないでしょ?」
「え〜! でもユカタいいじゃん! カワイイのきよ〜よ」
「う〜ん……でも……」
と、なにか言い出しにくそうに、
「浴衣とかってし、下着つけないんでしょ?」
顔を真っ赤にさせ声を潜めて、
「それオトコのヒトのゲンソ〜」
珍しくイブキがあきれながら言った。
最近は着物、浴衣専用の下着があります。




