たべほ~だイ。
いつものバス停にて――
「うな重食べほ~だいっ!?」
月夜がグルメ系アプリの中にあった、そんな記事を読んでいた。
「そ、そんな事が……できるのかしら……?」
そんな事を言いながら、続きを読み進める。
「埼玉県さいたま市の伝統食文化である『浦和のうなぎ』を満喫してもらおうと、一八八六年創業の老舗中の老舗が創業一三九年を記念した『うな重食べほ~だい』イベントを開くっ! ホントっぽいわね」
「イベントは今回で五回目――そこそこやってたのね~……」
「過去四回の参加者は三万二〇〇〇人――」
「かなりサンカしてんだねぇ~」
「まあ。ウナギ食べほ~だいなら、日本国民全員が押しかけてきても仕方ないわ。むしろ、トランプさんやイ~ロンマスクも並んでるビックイベントよ」
「あのふたりはならばないようなきがする……」
「制限時間は四五分か~……五〇……六〇はいきたいところね~……」
「1パイ1ぷんかかんないのっ!?」
月夜の目標スコアに驚くイブキ。
「昨年はおよそ三キログラム――七食を完食した参加者もいたか~……四五分で七食か~……」
「まあ、そんなもんだよねぇ~」
そういうイブキだった。